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トヨタコミュニティコンサート活動レポート

大阪府医師会フィルハーモニー

大阪府医師会フィルハーモニー第54回定期演奏会

  • 会場:ザ・シンフォニーホール
  • 日時:2025年 7月13日(日)14:00

演奏会の舞台写真(ヒンデミット 交響曲「画家マティス」)

プログラム
ウェーバー作曲/歌劇「オベロン」序曲
ヒンデミット作曲/交響曲「画家マティス」
ベートーヴェン作曲/交響曲第6番「田園」
指揮者
髙谷 光信
ソリスト
出演者
大阪府医師会フィルハーモニー
レポート
イタリアオペラが主流で、ドイツものは陰をひそめていた時代、モーツァルトの手法を継承し、劇的・叙事的表現を画期的に進歩させた本格的なドイツオペラを書きあげた「ロマン派の先駆け」に位置するウェーバーの歌劇「オベロン」序曲。第一次世界大戦後、ロマン派からの脱却を目指し、新即物主義を推進し、20世紀ドイツを代表する作曲家として同時代の音楽家に強い影響を与えたヒンデミットの交響曲「画家マティス」。ベートーヴェンが珍しく自作にタイトルを付した標題音楽の先駆をなすものと見られ、徹底した動機展開による統一的な楽曲構成法が秀逸な交響曲第6番「田園」。共通点として、それぞれの作曲家が当時の音楽文化を革新的に変えていった作品であり、本格的なドイツ物で、ウィーンの風を感じる統一感のあるプログラムだと自負しています。
来年の第55回の記念演奏会に向けて団員の演奏技術・音楽表現のレベルアップをできる曲をと選曲し、実際、技術的にも表現的にも、かなり挑戦的なプログラムで苦戦しましたが、指揮者の髙谷光信氏に導いていただき真摯に取り組みました。トレーナーの滝本 博之氏も北西ドイツ音楽アカデミー・デトモルト在学中に学ばれたヒンデミットの歌心、ドイツの人々の想いを熱心に何度も語ってくださり、もちろん完ぺきとは言えませんが、難解さの下に隠れた歌・心を大切にした演奏をできたと思っております。
お話しできた観客の方やアンケートの結果もとてもよかったのですが、演奏終了後の会場からの声援・拍手がとてもあたかかく、いい演奏会ができたのだなと奏者としても実感しました。また、視覚障害を持った方や貧困地域の小学校に通う生徒、「TSURUMIこどもホスピス」に入所されている方など、普段、オーケストラの演奏会に足を運ぶのが難しい方にもご来場いただき、音楽を楽しんでいただくことができました。他にも、ロビーで行ったSDGsの取り組みも沢山の方にご覧いただけたようで、演奏だけでなく、全体を通して優しさのあふれる暖かいイベントを開催できたと自負しております。
今後の課題としては、第55回の記念演奏会に向けて、さらにいい音楽ができるよう練習に取り組むことと、SDGsとして取り組んだご招待人数が伸び悩んだので、お声かけに力をいれること、ご来場にあたってのハードルを再調査し、よりご来場いただきやすい環境を整えたいと思います。また全体的な集客についてもより一層力をいれ、ホール満席を目標にします。

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