Activity Report

トヨタコミュニティコンサート活動レポート

山陰フィルハーモニー管弦楽団

第1817回トヨタコミュニティコンサートin 海士町 「ないものはない」山陰フィルわくわくコンサート

  • 会場:海士町立海士中学校 体育館
  • 日時:2023年10月22日(日)午前10時

ハープ、ピアノを含むフル編成のオーケストラで「展覧会の絵」を演奏しました。

プログラム
歌劇「ウィリアム・テル」序曲/ロッシーニ
オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」から(抜粋)/久石譲
管弦楽のためのキンニャモニャ讃歌/隠岐民謡/溝淵新一郎編曲
組曲「展覧会の絵」から(抜粋)/ムソルグスキー/ラヴェル編曲
指揮者
今岡正治
ソリスト
出演者
山陰フィルハーモニー管弦楽団
レポート
離島での演奏会開催は、出演者の移動や宿泊の手配や体育館への舞台設営、広報など、開催準備に困難な課題を伴いますが、地元(海士町)との共催や、これまでのTCCによる離島公演(隠岐の島町)の経験を生かすことにより、大きなトラブルなく開催することができましたた。
海士町教育委員会のご協力より、町内の全小中学生170人に聴いていただくことができましたた。一般の入場者は113人で、合計283人の入場者数は、町民(人口約2,300人)の1割にあたります。

地域に根差した活動を続ける弊団にとって、県内各地への移動公演は、活動の大きな柱の一つです。今回は、50年の活動の中で初めての海士町公演が実現しました。今回も、開催準備にあたっては、通常の移動公演に比べ離島ならではではの困難もありました。島内では、フルオーケストラの編成の出演者全員の宿泊先を確保することもできず、近隣の2つの島も含め3島に別れて宿泊することとなり、前日のリハーサル後の団員は、慌ただしくフェリーでそれぞれの宿泊先へ移動し、翌日またフェリーに乗って本番会場まで移動しました。実際、本番の前々日は夕方から内航船が一部欠航となっていました。1日天候がずれていたら、団員は宿泊先の島へ行き来ができませんでした。離島の場合のリスクも痛感しました。

そういった条件の下、宿の確保や広報、チケット販売等に、共催の海士町教育委員会の協力をいただきました。今後も、移動公演の際は、地元団体との連携が成功のポイントになると考えています。

今回の演奏会にあたり、海士町の民謡「キンニャモニャ」を題材にした管弦楽曲を特別に委嘱し、初演しました。日本海の荒波を思わせる冒頭部分では、一体何が始まるのかとお客様にも緊張感がある様子でしたが、キンニャモニャのメロディーが出てくると会場の空気が一転和やかになり、音楽に合わせて踊っているお子さんもいました。島民の皆さんに深く根付いている音楽とオーケストラのサウンドが融合し、観客とオーケストラの距離感もぐっと近くなって、会場の一体感が醸成された貴重な一曲となりました。

アンコールは、来場者全員が、体全体を使ってラデツキー行進曲の演奏に参加します。

受付は、販売会社の皆さまに担っていただきました。隠岐に支店がないにもかかわらず、快く来島いただきました。 小学生も1人1枚チケットを手にして会場へ入りしました。