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■ドイツ アマチュアオーケストラ連盟(BDLO)
2007年ワークショップ
JAOはドイツ アマチュアオーケストラ連盟(BDLO)と友好提携を行っています。BDLOは1924年に設立され、現在ドイツ全土に536の会員オーケストラを擁しています。
毎年、JAOフェスティバルにはBDLOからの参加者が、BDLOのワークショップにはJAOからの参加者があり、相互の交流を深めています。
日時:2007年5月25日(金)〜29日(火)(4泊5日)
場所:ヴァイカースハイム城 音楽アカデミー
(ドイツ・バーデンヴュルッテンベルク州、ヴァイカースハイム市)
住所:Marktplatz 12 97990 Weikersheim
■BDLO2007ワークショップに参加して
私は5月24日に日本を出国。所属が高松交響楽団ですから、関西空港を朝10時のルフトハンザで発ちました。ドイツ時間の午後3時過ぎにフランクフルト空港に到着し、Sバーンで中央駅で降り、おなじみの駅前ホテル「エクセルシオール」で前泊しました。
翌朝8時丁度のロマンチック街道バスにゆられ、3時間足らずで目的地のバイカースハイムに辿り着きました。5月下旬にもかかわらず、当地はまるで夏をおもわせるほど暑く、同行のみんな汗だくです。到着後すぐ高橋先輩の先導でマルクト広場のレストランに立ち寄り仲間とビールで乾杯。やはりドイツのビールはいける。ゼアグートです。
そして夕方6時からオリエンテーションと夕食を終え、早速7時より10時までふたつのオーケストラに分かれ譜読み合奏です。指揮者は両グループとも若くてハンサム、エネルギッシュでとても熱のはいった稽古で、とにかく初日からクタクタです。
翌日は朝9時から、それぞれのパート練習でスタートし、午後分奏、夕方から総合練習で10時に終了。かなり長い休憩はあるものの、まるで、学生オケの合宿を思い出させるハードトレーニングです。老いの身にはちょっと応える。
しかし、そんななかで、日独親善合同オケのなごやかな雰囲気で行われる練習は、筆舌に尽くしがたく、日本では味わえないほどの豊かな音楽作りがなされたのです。
およそ、4日間練習に励み、最終日の午後4時より、市の公会堂にて、ささやかなコンサートを開催しました。当日は、あいにく雨模様でしたが、バイカースハイム周辺の人々が大勢詰めかけ盛況でした。演奏内容は、バルトークとシベリウスともに高いレベルで、躍動感に満ちた、重厚な出来上がりでした。
きくところによると、ドイツ人はロシアや北欧の音楽を好む傾向があるそうです。なにしろドイツではプロの弦楽器奏者が日本の10倍近くいて、世間の人々は、普段から生演奏に慣れ親しんでいるようです。しかも、大都市から小都市にかけて、オペラ、オーケストラ、室内楽と幅広く溢れているのですから驚きです。まさに芸術や文化を大切なものと敬う国家です。
コンサートが終了し、ドイツの仲間と堅い握手を交わし、自由解散です。日本からの参加者10名ほどで最後の夕食会を催し、楽しいひとときを過ごして、翌朝には、それぞれ、バイカースハイムを後にしました。
余談ですが、合宿終了後、私は一週間あまり、ニュルンベルク、ミュンヘン、そしてイタリアとオーストリア方面を高速列車でひとり旅しました。
ナポリでは、サンカルロ歌劇場オケによるマーラーの「第3交響曲」を聴き、フィレンツェではゥフィーッィ美術館でルネサンスの絵画、彫刻にしびれ、最後にザルツブルク旧市街にあるモーツアルトの生家の住居に立ち寄り、ミラベル宮の庭園など散策し、時候もよくて、ご機嫌な毎日でした。そして、6月6日フランクフルトより帰国の途につきました。
おわりに、ヨーロッパにはさまざまな国がありますが、「とくにドイツは対日感情が極めて良く、安心して旅ができる国である」とあらためて痛感した次第です。
文 高松交響楽団 ヴィオラ奏者 坂 文雄
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