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2008 BDLOオーケストラワークショップ in ワイマール

<内容>
1.大会の概要と参加状況
2.大会に参加して
3.ドイツでの演奏旅行を終えて



ドイツでの演奏旅行を終えて

5月のドイツは緑に溢れ、自然の豊かさに満ちていました。訪れたWeimarは、ご存知のとおり、シラーやゲーテなどで知られる有名な街であり、バッハゆかりの地でもあります。FrankfurtからWeimarに向かう電車の中、偶然以前一緒に演奏したドイツの仲間と遭遇し、賑やかな道中になりました。現地に着くと、常連のドイツのメンバーとの久々の再会に盛り上がりました。


Weimar halleにて。
演奏会当日の弦楽オーケストラ。


今回、弦楽オーケストラではバッハ一族がテーマに取り上げられていました。楽譜は5曲用意されていましたが、最終的に演奏する曲はJ.S.Bach「音楽の捧げ物 BWV1079より6声のリチェルカーレ」、W.F.Bach「シンフォニア・ヘ長調」、J.S.Bach「序曲 第3番 ニ長調BWV1068」の3曲になりました。20人余りの小さな編成なので一人ひとりの音がしっかり演奏に反映されます。中でもリチェルカーレは各パートがさらに3つに分かれるため、苦労しました。

練習開始のころは皆の音がまとまらなかったのですが、素晴らしい指揮者Christoph Mayer氏に導かれ、バッハの世界に放たれていきました。Mayer氏はバロックとクラシックを得意とされるようです。いつも練習会場には彼のバイオリンを持参していました。熱心に、時にユーモアを交えながら曲作りを指導してくださいますが、彼の素晴らしいところは、必ず悪い弾き方と、良い見本を実際に演奏して見せてくれること―上手に私たちの下手な弾き方を真似てみせてくれた後に、見本で歌い方を披露してくださるのです。彼が弾くと、まるで音楽が違うように聞こえるのが衝撃的でした。流れがあり、深さがあり、なんという表現の多彩さ!これがバッハなのか、と心から感動しました。

たった数日の練習で私たちの音楽も大きな変容を遂げ、演奏がより豊かに、楽しくなっていきます。ドイツ語での意思疎通は思うようにいきませんが、片言のドイツ語で隣の方と話したり、皆と笑いあったりするうちに一体感が生まれてきました。話してみると、学校の先生や、音楽学校を出て楽器を教えている方も多いことに気付きました。


初夏の目映い光にたたずむStadtschloss
宿泊施設から練習会場に向かう途中で出くわす風景。
本番の会場は想像していた以上に立派なホールで、リチェルカーレから始まり、シンフォニア、そして序曲、楽しく感動的な時間はあっという間に過ぎていきました。W.F.Bach「シンフォニア・ヘ長調」は、日本ではあまり馴染みがないかと思いますが、とても面白い曲です。J.S.Bachをイメージしていると、度肝を抜かれる感覚です。非常にダイナミックで、現代的な部分もあり、新鮮でした。演奏後に会場で聞いてくれていたドイツの方から「良かったよ、特にW.F.Bachは興味深かった!」と声をかけられました。

練習に明け暮れ、昼休みには美しいWeimarの街を散歩し、練習後には美味しいビールやワイン―ゆったりと時が流れる、夢のような数日間でした。BDLOに参加して思うことは、ドイツで体験する音楽には本当に自然で美しい流れがあり、参加する皆が心から音楽を楽しんでいるということです。皆さまも是非、来年にでも、この素晴らしいドイツでの音楽体験に参加してみてください。

文 ヴァイオリン:早川葉子


★Christoph Mayer氏のホームページ
http://www.christoph-mayer.eu/home.html


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