
1972年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
作曲は独学。コントラバスのためのソロ曲、室内楽曲など多数。吹奏楽作品や管弦楽作品も手がけている。フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団に所属。
経営コンサルタントとしても活動している。
主な作品:
■吹奏楽作品 「古き森の戦記(Old Forest Chronicle)」(第28回朝日作曲賞受賞)
「森の精霊(Wood Nymph)」
■コントラバス作品
「コントラバス ソナタ(Sonata for Double bass and Piano)」
(日本現代音楽協会主催『現代の音楽展2003 コントラバスフェスタⅡ』公募入選)
「コントラバスのための演奏会用練習曲集『四季』」(出版、CD化)
■その他作品
「妖精の国(FAIRYLAND)」(第30回日本ハープコンクール2018ジュニア部門課題曲)
「弦楽のためのソナタ(Sonata for Strings)」(Ensemble RRISCOPERTA 委嘱作品、CD化)
◆【曲目解説】 『シンフォニエッタ《ミレニアム・プレリュード》』 塩見康史
記念すべきJAOフェスティバル東京大会のための作品を構想するにあたって、ふさわしいテーマの選定に大変悩みましたが、結局、最も壮大なテーマ、つまり「人類の栄光を讃える」というコンセプトを中心に据えました。背景には、オリンピック理念への共感があります。
大管弦楽によって、人類や人生の様々な側面、すなわち、栄光、青春、愛、憂い、闘争、勝利などが、一連のストーリーとして、次々と描かれていき、最後には華々しく栄光に帰還します。人類が未来へ向けて、困難を乗り越え、歩んでいく物語を描いたとも言えます。
作曲に際しては、親しみやすい旋律、多彩な管弦楽など、演奏者が楽しめる曲にすることを意識しました。曲中にはワーグナー、R.シュトラウス、マーラー、シベリウスなどの面影が見られます。
曲は5つの部分に分かれており、続けて演奏されます。
1.序奏「栄えある光」
冒頭ではパイプオルガンが鳴り響き、続いて栄光と祝福をあらわす華やかな音楽が奏でられます。
2.第1部 「天翔る若き力」
Allegro con brioでエネルギッシュな音楽が奏でられます。ここで描かれるのは、青春の日々、若さと活力、悩みを知らない無邪気で元気な日々です。
3.第2部 「憧れと愛の夢」
第2部は、甘美な音楽となり、愛と憧れが描かれます。愛は最初は悩み深く、愁いを帯びていますが、第2部後半では徐々に博愛的な感情へと昇華していきます。
4.第3部 「闇の軍勢との戦い」 突然、悪魔的な音楽が響き、戦いが始まります。押し寄せる闇の軍勢の攻撃に、何度も崩れかけますが、そのつど立ち上がり、ついには闇に打ち克ちます。
5.コーダ 「栄光への帰還」
再びパイプオルガンが鳴り響き、戦いは終わり、栄光へ帰還します。栄光を讃える音楽が奏でられ、壮大なフィナーレを迎えます。