2020年6月5日(金)~7日(日)

会場:東京芸術劇場 演奏会:2020年6月7日(日)

【オーケストラT】 作曲:塩見 康史 『シンフォニエッタ《ミレニアム・プレリュード》』(委嘱作品)

1972年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。

作曲は独学。コントラバスのためのソロ曲、室内楽曲など多数。吹奏楽作品や管弦楽作品も手がけている。フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団に所属。

経営コンサルタントとしても活動している。

主な作品:

■吹奏楽作品  「古き森の戦記(Old Forest Chronicle)」(第28回朝日作曲賞受賞)

「森の精霊(Wood Nymph)」

■コントラバス作品

「コントラバス ソナタ(Sonata for Double bass and Piano)」

(日本現代音楽協会主催『現代の音楽展2003 コントラバスフェスタⅡ』公募入選)

「コントラバスのための演奏会用練習曲集『四季』」(出版、CD化)

■その他作品

「妖精の国(FAIRYLAND)」(第30回日本ハープコンクール2018ジュニア部門課題曲)

「弦楽のためのソナタ(Sonata for Strings)」(Ensemble RRISCOPERTA 委嘱作品、CD化)





◆【曲目解説】 『シンフォニエッタ《ミレニアム・プレリュード》』 塩見康史


記念すべきJAOフェスティバル東京大会のための作品を構想するにあたって、ふさわしいテーマの選定に大変悩みましたが、結局、最も壮大なテーマ、つまり「人類の栄光を讃える」というコンセプトを中心に据えました。背景には、オリンピック理念への共感があります。

大管弦楽によって、人類や人生の様々な側面、すなわち、栄光、青春、愛、憂い、闘争、勝利などが、一連のストーリーとして、次々と描かれていき、最後には華々しく栄光に帰還します。人類が未来へ向けて、困難を乗り越え、歩んでいく物語を描いたとも言えます。

作曲に際しては、親しみやすい旋律、多彩な管弦楽など、演奏者が楽しめる曲にすることを意識しました。曲中にはワーグナー、R.シュトラウス、マーラー、シベリウスなどの面影が見られます。

曲は5つの部分に分かれており、続けて演奏されます。

1.序奏「栄えある光」

冒頭ではパイプオルガンが鳴り響き、続いて栄光と祝福をあらわす華やかな音楽が奏でられます。

2.第1部 「天翔る若き力」

Allegro con brioでエネルギッシュな音楽が奏でられます。ここで描かれるのは、青春の日々、若さと活力、悩みを知らない無邪気で元気な日々です。

3.第2部 「憧れと愛の夢」

第2部は、甘美な音楽となり、愛と憧れが描かれます。愛は最初は悩み深く、愁いを帯びていますが、第2部後半では徐々に博愛的な感情へと昇華していきます。

4.第3部 「闇の軍勢との戦い」 突然、悪魔的な音楽が響き、戦いが始まります。押し寄せる闇の軍勢の攻撃に、何度も崩れかけますが、そのつど立ち上がり、ついには闇に打ち克ちます。

5.コーダ 「栄光への帰還」

再びパイプオルガンが鳴り響き、戦いは終わり、栄光へ帰還します。栄光を讃える音楽が奏でられ、壮大なフィナーレを迎えます。

Copyright(c) 2019 JAO. All Rights Reserved. Design by http://f-tpl.com